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上手に生きられない人間の暮らし。

「子どもが嫌い」と言えない世の中

 マンションのどこかで、チワワの鳴く声がする。朝からとてもうるさい。

 私は犬が嫌い。動物が嫌い。思いやりのない人に思われるようで、誰にも言えないけれど。

 電車の中で子どもがわめき、泣いている。心底、うるさいと思う。他人の子どもに可愛さを覚えることは稀だ。第一、身も知らぬ人の見も知らぬ子を、無条件に愛せるほうが、どうかしていると思う。

 

 Aさん(30代前半女性)はそんなことを語ってくれた。

 昨今は、少子高齢化が進み、子育て支援策を国家で推し進めている風潮があるから、「子どもが嫌い。」などとはとてもいいづらい。

 Aさんの職場の係は、Aさん以外みんな既婚者で、子育て中のママである。だから仕事中の会話も子育てが中心になる。

 正直、うんざりだ。興味がない。他人のこともの話だなんてお。